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【ゲームデザイナー(プランナー)】のキャリアパスって?? 後編

こんにちは! 【器用貧乏系ディレクター】のYumenoです。

さて、前編では【ゲームプランナー】のあやふやさ、【ゲームデザイナー】やキャリアパスについての定義についてお話しましたが、後編ではいよいよ本題である【ゲームデザイナー】のキャリアパスについて具体的なお話をしたいと思います。

とは言え、会社やプロジェクトによって状況がかなり変わるため、あまり細かい話をすると「これはどこの世界の話だ?」になりかねないので、粒度は少し荒めに、よく見られるであろうキャリアパスの形としてお話させていただきたいと思います。

【ゲームデザイナー】と4つのキャリアパス

【ゲームデザイナー】のキャリアパスですが、大きくカテゴライズすると、4つのパス(キャリア)に分類できると考えています。もちろん細分化も可能なのですが、そうすると読むひとによっては当てはまらない場合も出てくるので、シンプルにお伝えしたいと思います。

また同様に、各キャリアの中でもいくつか役割や役職が分かれることも多いと思うのですが、こちらも今回の本題ではないのでひとまとめとさせてください。(たとえば一口に【ゲームデザイナー】と言っても、プロジェクトごとに必要な役割として「ゲームシステム担当」や「レベルデザイン担当」などがありますし、メンバーが多くなればまとめ役としてのリーダーが置かれることもあります)

【ゲームデザイナー】からはじまる4つのパス

これは言うまでもないことですが、ゲーム開発の現場で【ゲームデザイナー】が求められているのは、【ゲームデザイン】という【クリエイティブ】な業務です。
それに加えて、ゲーム開発であってもビジネスである以上必要な、【クリエイティブ】と対となる業務としては【マネジメント】があります。

それを踏まえて、【ゲームデザイナー】からはじまる4つのキャリアパスを簡単に図示すると以下のようになります。
パスとしては、基本的には上方向へ、もしくは左方向へと伸びていきますので、一番右下の【ゲームデザイナー】を起点として見ていってください。

【ゲームデザイナー】からはじまる4つのキャリアパス

なんとなくイメージは掴めたでしょうか?

幾つか補足すると、横軸に関しては、右に行くほどクリエイティブ色が強く、左に行くほどマネジメント色の強い役割になります。
縦軸は、上に行くほど役職も高くなる想定ですが、こちらは会社によっては【プロデューサー】と【ディレクター】は横並びだったりと、会社やプロジェクトによって様々だと思いますので、あくまでイメージと言うことで。

ちなみに、図的には【マネージャー】が最上位にいますが、こちらはいわゆる「部長」「課長」「係長」などはすべて【マネージャー】なので、【プロデューサー】や【ディレクター】が兼務していることも少なくないです。

なお【ディレクター】に関しては、クオリティの責任者であるとともに、開発メンバーの進捗管理やモチベーションコントロールなどのマネジメントも求められるため、個人的には一番難しい役どころだと思います。

また、【スペシャリスト】から点線で【マネージャー】へとパスが伸びていますが。
【スペシャリスト】は文字通り「ゲーム開発の(特定分野の)専門家」なので、基本的には開発現場で最大のパフォーマンスを発揮するのですが、組織によってはマネジメントに専門的な技術の知識や理解度が必要な場合もあるため、起こりうるパスとして入れています。

各キャリアの「責任範囲」について

それでは最後に、各キャリアについて私なりの視点で簡単に説明をして、この記事を締めたいと思います。

なにが「私なりの視点」かと言うと、業務内容や権限ではなく、「どこに責任を持つ役割なのか」という【責任範囲】から見た説明になります。
なお、キャリア名の後ろの()内は、クオリティとマネジメントの比重のイメージです。

ゲームデザイナー(クオリティ>マネジメント)
責任範囲:自身が担当するパートのクオリティやスケジュール
アサインされたパートのゲームデザインとそれに基づく開発業務、進行管理、品質管理を担当。
スペシャリスト(クオリティ>マネジメント)
責任範囲:自身が専門分野とするパートのクオリティやスケジュール
基本はゲームデザイナーと同様だが、自身が専門分野とするパートに関してはディレクター的役割を担う場合もある。
ディレクター(クオリティ≧マネジメント)
責任範囲:自身が担当する作品全体のクオリティやスケジュール
基本設計、全体設計を含めたトータルのゲームデザインと、それに基づくゲーム全体の開発業務、進行管理、品質管理を担当。チームビルディングやメンバーアサインなどの人事権を持つ場合もある。
ゲーム開発における、ゲームデザインとクオリティコントロールの責任者。
プロデューサー(クオリティ<マネジメント)
責任範囲:自身が担当するプロジェクトの収支やスケジュール、人員管理
ディレクターと連携して、プロジェクトの契約交渉や事業計画、予算管理、対外折衝などを担当。リリースに際してはプロモーションを担当したり、ゲーム開発以外も含めたプロジェクト全体の収支やスケジュール、人員管理の責任者。
規模の小さいプロジェクトの場合、ディレクターが兼任するケースも少なくない。
マネージャー(クオリティ<マネジメント)
責任範囲:自身が担当する部門全体の収支やスケジュール、人員管理
個別のプロジェクトというよりは、組織やチームなどの部門全体の収支やスケジュール、人員管理の責任者。
クリエイティブな業務を持つことはあまりなく、組織のヒト・モノ・カネをマネジメントして、利益を出すことが目的。

まとめ

いかがだったでしょうか?

なお、上で「見える化」したように、キャリアパスを辿るということはすなわち、キャリアアップしていくということでもあります。

ちなみに「キャリアアップするにはマネジメントができないとダメ」みたいな話を聞くこともあるかと思います。それも今回の話を踏まえて、『企業としては売上・利益を出すことが目的の一つであるため、必然的に目的への貢献度が高い「責任範囲」を担う役割が上位の職位に置かれやすい』と考えてもらうと、理解しやすいのかなと思います。

この先のキャリアプランに悩んでいる方は、自分の中や見聞きしたものの中に「なんとなく〇〇が必要らしいぞ」いうものがあれば、自分なりの視点で「〇〇が必要とされるのはなぜか?」「自分の役職・環境では、どういった〇〇が必要とされているのか?」を考えてみてもらえると、そこに何かしらその方にとってのヒントがあるかもしれませんね。

それでは、また!


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