転職活動をしていて、いざ応募!というときに必ず必要になるのが「履歴書」と「職務経歴書」です。クリエイター職の場合はそれらに加えて「作品のポートフォリオ」も求められる場合が多いのが特徴ですね。そのため「作品の出来栄え・テクニックに自信があるから他の応募書類はそんなに重要ではないだろう」なんて考えているクリエイターさんも多いのではないでしょうか?
求人企業の採用手順として「履歴書」「職務経歴書」での書類審査を行ってから、書類審査通過者のみに面接という場合があります。「面接の際にポートフォリオをお持ちください」というような流れの場合は、いくら腕に自信があっても作品を見せるチャンスや、熱意を直接訴える場も与えられないということになりかねないのです。転職活動の第一歩として「履歴書」「職務経歴書」は手抜きせず、しっかり準備しましょう。
履歴書に関してはフォーマットもほぼ決まっていますので、記入に際して困る部分も殆どないかと思います。最近は履歴書が手書きかPC作成かはそれほど重要ではない企業も多いので、PCでの履歴書作成の場合はフォーマット通りに変換ミスに気をつけて入力すれば良いので簡単です。一度作ってしまえば、応募日付だけ変更して使いまわしても問題ないでしょう。
さて履歴書が用意できたので一安心、と思ってはいけません。実は転職において重要なのは職務経歴書のほうなのです。
まず最初に職務経歴書に目を通してから「会ってみたい」と思う応募者のみ履歴書も見る、という担当者も多いのです。つまり、書類を審査する採用担当者に「この応募者に会ってみたい」と思わせることができるかどうかが重要になってきます。
求人企業が最も知りたいのは、あなたの職歴やスキル・経験が求人職種にマッチするかどうか。チームワークの必要な職場であれば、コミュニケーション力が必要な職業の経験があるか。などの情報を職務経歴書を見てチェックします。そのため、職務経歴書では「志望職種に適性がある」「やる気がある」「自分を採用するとこのように役に立つ」と伝えることが最も大切です。
そこで、今回はクリエイター職の場合の職務経歴書の書き方について『10のチェックポイント』にまとめました。
目次
レイアウトは自由、といっても適当すぎるのはマイナスです。クリエイター職の転職であればなおさらレイアウトのセンスにはこだわりたいですね。イチから作る時間がない、自信がないという方は「職務経歴書 テンプレート フォーマット」などで検索するとテンプレートやフォーマットをダウンロードできるサイトが多数あります。職種別になっているものもありますので、自分の職務経歴に合ったものを利用するのも良いでしょう。
※逆にデザイン力をアピールしようと、凝ったデザイン・レイアウトでハイセンスな職務経歴書を作ったら良いのでは?と思った方もいるかもしれません。しかし、デザイン力・スキルテクニックは「ポートフォリオの作品」を見ればわかります。職務経歴書のレイアウトは「必要な項目があって見やすい」ものであれば良いのです。ハイセンスすぎて読みにくい、ということのないように気をつけてください。
既存のテンプレート・フォーマットを使用したために空欄が多くなった場合、そのままにしておくのは印象が悪く、本当にやる気があるのか疑われます。自分の職歴や応募職種に関係のない項目は削除するなど、フォーマットをアレンジして必要な項目だけに整えましょう。
1つ職務経歴書を作ったら、すべての応募先にそれを送付する、というのではダメです。応募先が必要としている人材の条件に合わせて強調すべきPRポイントは違っているはずです。応募先の業種や職務内容に合わせて、これまでの経歴で身に着けたスキルやPRコメントを変えていくつかパターンを用意しておきましょう。
ズラズラと年度順に会社名・担当部署・職務内容だけが書いてある。これでは履歴書の内容とほぼ同じですので、職務経歴書の意味がありません。
■勤務先の概要を簡潔に説明し、所属部署や経験した職務について「実績」を具体的にPR
■その職務を経験したことによって得た「スキル」を具体的にPR
上記のポイントを押さえて、年度順ではなく経験職種ごとにまとめた形式にすると、採用側も自社の求人に関係のある部分だけ見やすくなります。
ほどよい文章量にまとめましょう。職歴が多かったり、PRしたいことが多すぎてページ数が多く、狭い行間・小さい文字でぎっしり印刷してあると担当者も読む気になりません。できればA4用紙1~2枚におさめると読みやすくなります。
逆に、内容が少なすぎる場合は表形式にして行間を大きめにとるなど、多少レイアウトでカバーしつつ、内容も見直しましょう。経験した職種ごとに身に着けたスキルや、その会社に貢献した実績がなかったか、書き出してみると良いでしょう。
経験のあるツールとスキルレベルがわかる書き方にして、関連する資格があれば必ず書きましょう。
【悪い例】
職種:Webデザイナー(経験1年半)
【良い例】
○○株式会社の自社サイトのデザイン・コーディング・運用を担当。
Phontoshop、Illustratorは使用歴5年、WordPress、HTML、CSSの実務経験3年
2015年10月 ○○検定取得
※他にも、「フリーランスとして3年半活動」のような書き方だけでは何をしていたのかわかりにくいため、具体的な受注先や代表案件、売り上げ資料などを付け加えて実績・得意分野をアピールしましょう。
応募する職種に関してまったく経験がないので、職務経歴としてアピールする内容がない、という場合。
「なぜ経験がないのにその企業や職種に関心をもったのか」
「経験は無いがこの職種についてこのような勉強をした」
「今後も勉強を続けてスキルアップしていく」
など、熱意が伝わるように、自分の言葉で文章にまとめましょう。
せっかく取得した資格だから全部書かないともったいないという気持ちで、持っている資格をずらずらと列挙してしまいがちです。しかし、業務に関係ない資格のアピールは不要です。応募先の業務に関連した資格やスキルをわかりやすく箇条書きでまとめたほうが良いでしょう。
退職・転職理由については書かなくても問題ありませんが、前向きな理由での退職であれば書いたほうが良いでしょう。
あまりにも短期の転職回数が多い場合は、勤務先全てに転職理由を書くと、転職が多い印象がより強調されてしまいます。そのような方は職種ごとの経歴にするとまとまりやすく、読み手にもわかりやすくなります。
【例】A社で1年、B社で2年、C社で2年、計5年間 ○○○職で経験を積み、さらに上のレベルに挑戦したくD社の□□□職に転職しました。
最後の締めくくりに担当者の心をつかむ自己PR文があると、ぐっとポイントアップです。自己PRの例文も書籍やネットにたくさんありますが、例文をコピペして簡単に仕上げるのは逆効果です。採用担当者は大量の応募書類を読みます。あまりにも例文通りの自己PRでは「やる気がない」「語彙力・伝える力がない」「この職への熱意がない」と判断されてしまいますで、ここは手を抜かずにしっかりと自分の言葉で熱意を伝えましょう。
自分の経歴を振り返り、どの時期にどの仕事でどういうスキルを身につけ、どういう実績をあげたのか書き出してみて、その中から応募先企業・職種のニーズにマッチしているスキル・実績を簡潔にまとめてPRします。分量としては、A4用紙の1/3~半分くらいのスペースでまとめて、職務経歴書の締めくくりに配置しましょう。
■自分の強み、得意分野、専門性を売り込む
「○○が得意です」だけでなく、これまでの職務経歴の中から昇進や受賞歴、マネジメント経験など具体的な根拠となる部分を示しましょう。
■入社後、どのように貢献・活躍できるか具体的に表現する
数字で表せる実績があればできるだけ数字で示すと伝わりやすくなります。その際、ただ数字を記載するのではなく「平均は80のところ100達成できた」「前年50のところ70に伸ばした」というように、その数字にどのような価値があるのか比較を使うなどして説明するとイメージしやすくなります。
■他の応募者ではなく「私を採用すべき理由」を積極的に提示する
■現在、スキルアップや資格取得に向けて勉強している
これも「努力しています」だけでなく「週○時間勉強しています」「現在の習得進度」などを具体的に書いてPRしましょう。
いかがでしたか?このように転職において「職務経歴書」の内容はとても重要なのですが、フォーマットが自由で、内容・項目・順序など書き方も自由なので、いざ用意するとなると書き方がわからない、難しいと感じる方も多いのではないでしょうか。しかし、自由度が高いぶん工夫しだいでグッと効果的な内容にすることも可能なのです。
職務経歴書はあなたの第一印象を左右する大切なものです。一度しっかり丁寧に作っておけば、次回の転職でも必ず役に立つものですので、面倒がらずにきちんとした職務経歴書を作成することを心がけましょう。
ディレクターやクライアントとの…