就職・転職活動は、企業の採用担当者とのメールのやりとりからスタートする場合が多くなっています。応募前に求人広告記載の職種や、募集内容の詳細について問い合わせをしたい場合、電話での問い合わせは採用担当者の負担となるので、なるべく避けたほうが良いでしょう。メールを利用して、項目を絞って簡潔に質問することが大切です。
ところが、最近はメールよりもSNSなどのメッセージツールに慣れてしまって、いざメールを作成するとなると何に気をつけたらいいか、正しいメールマナーについて知らないという人が増えています。あなたの第一印象がメールの文面で決まってしまう可能性もありますので、社会人としてきちんとしたメールの書き方のマナーを知っておく必要があります。
採用担当者は、簡潔で丁寧な読みやすいメールを送ってくる応募者には良い印象を持つでしょうし、返信が遅かったり、丁寧な文章でもダラダラと読みづらく内容がわかりづらいメールを送ってくる応募者には「仕事ができなさそう」というイメージを抱きかねません。
では、具体的にどのようなことに気を付ければいいのか、就職・転職活動でのメールマナーの基本を確認しておきましょう。
目次
携帯電話のメールアドレスではなく、パソコンのメールアドレスを使用するようにしましょう。ただし、外出先でもメールの確認ができるように、携帯からもチェックできるGmailなどのメールアドレスを利用するのがお勧めです。
プライベートなメールアドレスとは別に、就活用のメールアドレスを作るなどして、応募先企業からのメール連絡の見落としが無いようにしましょう。
採用担当者は毎日大量のメールを送受信します。そのような状況でメールを読むかどうか、優先順位を判断する基準はメールに付けられた件名です。件名には、メールの用件だけでなく送信者の所属・名前を含めるとパッと見て区別がつけやすくなります。
【例】 【○○大学 田中 一郎】面接日時についての問い合わせ
【応募書類送付の件】鈴木 花子
※相手から受信したメールへ返信する場合は件名の「Re:」を残します。「Re:○○」のほうがどの件への返信かわかりやすいためです。
いきなり本文から書き始めないように気をつけましょう。必ず宛名を書くのがメールの基本マナーです。
【例】 ○○○○株式会社
人事部 採用課 △△様
宛名には下記のみっつの項目を書くのが一般的です。
担当者名がわからない場合は「採用担当者様」としておきましょう。
「拝啓」や「時候の挨拶」は省略します。「お世話になっております」が定番ですが、初めてのメールの場合のみ「お世話になります」とし、その後に自身の名前を名乗りましょう。
署名に名前の記載があったとしても、どこの誰かわかるように本文冒頭で名乗るのがマナーです。
【例】○○大学の田中一郎と申します。
求人サイト△△からデザイナーの職種に応募した鈴木花子と申します。
○日に一次面接して頂きました佐藤太郎です。
相手は仕事の貴重な時間を割いて質問に答えてくれます。本文では質問に入る前に一言、相手に感謝したり、お願いをするような言葉を添えることがポイントです。
【例】御多忙の中、お手数をお掛けしますが~
お忙しい中、失礼いたします。
メールでは「貴社」が正しい使い方です。「御社」は話し言葉、「貴社」は書き言葉になります。同じ意味の敬語ですが、きちんと使い分けましょう。
※他にも間違えやすい敬語として ×「了解しました」→○「承知いたしました」など、敬語のミスに気をつけましょう。
メールで問い合わせる前に、募集要項をきちんと確認しておきましょう。募集要項に記載されていることと同じ質問をしてしまうと、「注意散漫な人」という印象を与えてしまいます。忙しい採用担当者が回答しやすいように、必要な質問事項を箇条書きで簡潔にまとめましょう。
「○○でしょうか?」のような記号の使い方は不快に思う人もいるため、疑問文であっても最後は「?」を使わず「。」で締めくくるようにします。「!」や顔文字についても使用してはいけません。
募集要項には給与について「経験により」といった曖昧な記載の場合も多く、具体的な金額や手当てなどについて詳細に尋ねたいという気持ちになることもあるでしょう。でも、採用側としては応募者の職務経歴書を見て、面接をしてからでないと答えようがないので、最初の問い合わせで、給与や待遇面の質問をするのは避けたほうが良いでしょう。
応募書類を送りたい場合、メールにファイル添付で送信可能か、必ず採用側担当者の指示を仰ぎましょう。トラブル防止のため添付ファイルではなく郵送のみとする企業もあるので、いきなりファイルを添付して送信するのは非常識です。相手の指示があれば、ファイル形式・サイズを確認したうえで添付しましょう。
問い合わせメールでは、単に相手へ用件を伝えるだけでなく、返信や検討してほしいという期待を込めて送るものなので、最後は「返信が欲しい」ことを伝えて締めくくると良いでしょう。
【例】お手数ですが、ご返信いただけますと幸いです。
ご回答のほど、よろしくお願いいたします。
ご返事お待ちしております。
ご多忙のところ恐縮ですが、ご返答いただけますと幸いです。
末尾には名前・住所・電話番号・メールアドレスを記載した署名を付けます。転職の場合、現在の勤務先社名などは必要ありません。本文との間に「-」「=」「*」などの記号を使い、シンプルなラインで区切ると良いでしょう。
なお、先方からのメールに返信する場合は、受信したメールのコピーが本文内に残りますが、これは残したままでかまいません。相手が過去のメールのやりとりを確認する場合に、必要となる可能性があるからです。
ひと通りメールを書き終えたら、慌てて送信せずに必ず読み直して、誤変換や敬語の間違いなどがないか再確認しましょう。特に相手の氏名の漢字変換ミスなどは大変失礼ですので、ダブルチェックが必要です。送信する直前には、送信先のメールアドレスも再チェックします。誤送信は大きなトラブルの元ですので、送信前に必ず宛先を再確認する習慣をつけましょう。
いかがでしょうか?
就職・転職で必須のメール基本マナーについてまとめてみました。しっかり確認して自信をもってメールが書ければ、面接で実際に採用担当者と会う場面でも気持ちに余裕ができますね。
また、メールのマナーは就業後にも必ず役に立ちます。メールでのやりとりは、表情や仕草などは抜きで、文字だけで相手にきちんとこちらの意図を伝えなければいけません。マナーを知らなかったために無礼な表現になってしまい、相手を怒らせてしまう、といったことを避けるためにはとても大切なのです。
就職・転職活動を成功させたい皆さん、メールでのコミュニケーション力アップに、今回の記事をぜひ役立てていただければ嬉しく思います。
ディレクターやクライアントとの…