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はじめまして! 某アプリ系の開発・運営会社でディレクターをしているYumenoと申します。
前職はコンシューマー系ゲーム会社の企画職でした。コンシューマー/アプリゲーム開発以外にも、エンタメ系アプリやWebサービス、新規事業開発や社内の人材開発など、いろんなことに携わってきた典型的な【器用貧乏系ディレクター】です。どうぞお見知りおきを。
はてさて、今回縁あって記事を書かせていただく機会に恵まれ「私に書けることってなんだろう?」と考えてみました。「どうせ書くなら、読んでくれたひとに役立つことを書きたいなぁ」と思うものの、自分で言うのもアレですが目立った実績も特にはありません。そんな私に「ほかの人にはない何か」があるとしたら、それは「経験してきた仕事の幅の広さと悩んできた時間の長さ」かなと思いました。
その中でいろいろ見てきたこと・考えてきたことを思い返し、少しでも誰かの役に立ちそうなことをお話しできればと思います。
第1回目は、言われてみればハッキリこれというのが分からない『【ゲームデザイナー(プランナー)】のキャリアパス』について。
目次
少し前に、SNSで「【ゲームプランナー】のキャリアパスってどんな感じになるんだろう?」という疑問を目にしました。自分も、若手の頃は似たような疑問を持ったなと思いつつ、結局その時はこれだという答えは見つからなかったように記憶しています。
今はどうなんだろうと思って軽くググって見ましたが、さして状況は変わっていないように感じました。それは何故でしょうか?
そこには、2つの大きなギャップがあると考えています。
その一因は、得体のしれない【ゲームプランナー】という職業にあると思います。業界外の方からすれば、「【ゲームプランナー】というからには【ゲームの企画を考えるのが仕事】なんだろう」と考えるかと思うのですが。
業界内の方はご存知のように、【ゲームプランナー】が実際にゲームを企画している時間は仕事全体から見たら2割にも満たないものです。
この時点で、実際の業務内容と名称が合致していない、すなわち「正しく定義がなされていない」状態なので、そりゃぁ答えも出ないよなぁと思う次第です。
これが、1つ目のギャップ。
また、2000年代後半あたりから海外のゲーム開発の情報が日本でも知られるようになる中で、「海外では【ゲームプランナー】とは言わず【ゲームデザイナー】と言うらしいぞ」という声が聞かれるようになりました。
確かに、海外に【ゲームデザイナー】という役割は存在します。ただし、それがイコール日本でいう【ゲームプランナー】を指すわけではないのです。なので、ゲーム学が先行している海外の事例を追っても、これもなかなか参考にならなかったりします。
これが、2つ目のギャップです。
つまり【日本独自(しかも、ゲーム開発という特定のジャンルの中)の、得体のしれない職業】、それが【ゲームプランナー】だと言えます。
そんな【得体の知れなさ】の一端を示す話としては、これもゲーム業界の方にはお馴染みかと思いますが、【ゲームプランナーの業務範囲の曖昧さ&会社間でのバラつき】が挙げられます。
【ゲームプランナー】のことを半ば自虐を込めて【なんでも屋】と称したりすることもあるので、耳にしたことがある人も、実際に口にしたことがある人もいらっしゃるかと思いますが。その【なんでも】の内容が、同じ会社であっても部署やプロジェクトが違えば変わったりするので、会社によってはチーム移動するたびに業務範囲を把握するのが大変だったりします(これ、地味に辛い)。
そんなわけで、曖昧なスタート地点から出発してもゴールにたどり着くはずもないので、スタート地点を定めて考えてみることにします。
そのスタート地点となるのが、先ほど挙げた【ゲームデザイナー】という職業です。
ところで、私も自己紹介で使用する【ゲームデザイナー】という職業ですが、日本ではまだ認知度が低いと思っています。知ってるという人の中でも、説明できる人となるとその割合はもっと低くなるでしょう。
【ゲームデザイナー】という仕事については、詳しく語るとそれだけで連載できてしまうボリュームになるのと、株式会社degGの下田賢佑氏のnoteに詳しいので、そちらを参照して頂くと理解が深まるかと思います。
▶︎ゲームデザイナーの仕事(1)〜ゲームデザイナーという名前〜
今回は【ゲームデザイナー】を以下のように定義した上で、「キャリアパス」に重点を置いて話を続けたいと思います。
ゲームデザイナー | ゲームの全体設計、ゲームを構成する各パートの設計を行い、チームメンバーが円滑にゲーム開発を進行するために必要な実務・調整・管理を担う職業 |
これは自分がそうだったからというのもありますが、キャリアパスという言葉を知ったのも就職してから数年後、本格的に意識しだしたのはさらにその後だったりします。ゲーム業界に就職する方の中には、「とにかくゲームをつくりたい!」という思いで飛び込んでくる方も少なくないと思うので、就職前にその後のキャリアパスも見据えていたなんて奇特な方は少数派かと思います。
▶︎コトバンク
上記から引用させていただくと、キャリアパスとは「昇進・昇格のモデル、あるいは人材が最終的に目指すべきゴールまでの道筋のモデル、仕事における専門性を極める領域に達するまでの基本的なパターンのこと。」とあります。
ちなみに、キャリアパスを英語で書くと「career path」。ここで言う「path」は「道筋」や「生き方」という意味です。
さて、先ほどスタート地点を定めるという話をしました。今回はもちろん、そのスタート地点は【ゲームデザイナー】になるのですが、そこには大きく2つのステージがあると考えています。
ただ、こちらについては【ゲームデザイナー】に限らない話なので、以下に簡単に定義しておきます。
アシスタント | 与えられた仕事を、方針だけでなく、具体的な手法まで指示を受けて遂行できる |
プレイヤー | 与えられた仕事を、方針に従いつつも、臨機応変にスキルを活かして遂行できる |
スポーツ、中でもサッカーを思い浮かべてもらうと分かりやすいかと思いますが、「選手(プレイヤー)」として試合のフィールドに立つには、チームの方針や監督の戦術を理解したうえで、試合の状況に応じて臨機応変にプレイできる選手である必要があります。
ちなみに、アシスタントからプレイヤーになるために必要なスキルや学ぶべきことも多々あるのですが、こちらも今回は割愛させていただき、プレイヤーとして動けるようになった【ゲームデザイナー】のキャリアパスについてお話したいと思います。
……したいと思いますが、今回はここまで。
前編では、日本のゲーム業界で「ゲームプランナー」と呼ばれる職種の謎からはじまり、その「真の姿」ともいうべき【ゲームデザイナー】の簡単な定義、そしてキャリアパスとはどういうものかについてお話をしました。
後編では、いよいよ【ゲームデザイナー】からはじまる4つの主なキャリアパスについてお話したいと思います(前置き長くてスミマセン)。
ご興味持っていただけましたら、ぜひ後編も読んでいただければと思います!
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ゼロ年代のゲームデザイナー。コンシューマー系ゲームディベロッパーのゲームプランナーから始まり、ディレクター、プロデューサー、マネージャーなどを経験。Web・アプリサービス会社に転職後は、新規事業の立ち上げ、プロジェクトマネージャー、人材開発、プロモーション・マーケティングなど、いろいろやってきた【器用貧乏系ディレクター】。
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