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Gameで世界をHappyに!Skeleton Crew Studio様(京都)

Skelton Crew Studio

はじめまして、合同会社かぷっと代表の川合と申します。
今回からこのクリエイターズMAGネットで、クリエイターや制作企業の方へのインタビュー記事を連載することになりました。

第一弾は、京都のゲーム制作会社「株式会社Skeleton Crew Studio」さん。
お話を伺ったのは、代表取締役の村上雅彦さんと、スタジオマネージャーの石川武志さんのお二人です。

川合:それでは村上さん、石川さん、よろしくお願いします。

村上石川:よろしくお願いします。

株式会社Skeleton Crew Studioについて

創業までの経緯と出会い

川合:「Gameで世界をHappyに!」を理念に株式会社Skeleton Crew Studioを立ち上げられたのは2016年。比較的若い会社だと思うのですが、どういった経緯で起業されたんでしょうか?

村上:ひと言でいえば「ご縁」となりますが、経緯をさかのぼれば20代のアメリカ留学が発端になります。元々はアーティストとして活動していたのですが、そのキッカケでもあったアメリカに留学しました。短期留学の予定だったのが、そこでの縁が繋がって、結果8年そこで生活することに。

川合:8年!

Skeleton Crew Studioオフィス外観
Skeleton Crew Studioオフィス外観

村上:美術大学へ通い、現地のエンタメ業界で働いた後、日本に戻ってきました。帰国後はゲーム会社に勤めていたのですが、そこは社長がイギリス人であった事もあり、海外のスタッフが多い環境で。日本語も英語も話せる自分がコミュニケーションのハブになったんですね。チームの管理を任され、そこから子会社の代表に任命されました。

川合:マネージャーとして見いだされたんですね。

村上:実際は、新しく作った子会社に日本語がわかる人がいなかったので、窓口担当の意味合いが大きかったと思います。でも、それがきっかけで経営、マネージメントに興味を持つことになり、次第に自分らしい方法でチーム(会社)を新しく作りたいと思うようになって、独立を決意しました。

川合:石川さんは、前職は専門学校の先生でしたよね。どういった経緯で入社されたんでしょうか?

石川:教員時代、外部講師を招いてのセミナーやイベントを仕掛けていた関係で知り合い、意気投合。その後、私が退職を考えていた時期とSkeleton Crew Studioの創業が重なり、入社することに。入社したのは、創業から半年後ですね。

川合:これまた「ご縁」ですね〜。

村上:僕にとって石川さんとの出会いはとても良い出会いでした。教育業界、専門学校の先生から制作会社へ、というのもあまりないパターンかもしれません。

制作メンバーひとりひとりを尊重する「オーダーメイドのマネージメント」

川合:Skeleton Crew Studioは何名で創業されたんでしょうか?

村上:最初は4人です。前職から一緒に働いていたエンジニア1名、3Dアーティスト1名、インディーゲーム開発者1名、そして僕です。

川合:聞いただけでワクワクするようなバランス!先ほど起業の経緯についてのお話で「自分らしい方法でチームを」とありましたが、どんなことを意識してチームづくりされているのでしょうか?

村上:大きく意識しているのは「オーダーメイドのマネージメント」ですね。それぞれ能力を最大限に発揮できるように、統一したルールはできるだけ決めず、個人に合った方法を探るようにしています。小さな会社だからできることですね。メンバーひとりひとりを尊重し、それぞれが関わっている案件にプライドを持つことを意識付けています。試行錯誤しながらですが、そのために社内でのコミュニケーションが活発に生まれる工夫はしています。

川合:Webサイトを見ても、みなさん出身国もバラバラですね。

村上:日本、アメリカ、フランス、イギリス、インド、中国、シンガポール、ニュージーランド、ドイツ。あと、もうすぐフィリピン、スウェーデン、台湾のスタッフが入る予定です。スタッフの出身がバラバラなので、自然とお互いの文化と考え方を尊重する様な空気が生まれやすい環境ではあると思います。

Skeleton Crew Studioのチーム
Skeleton Crew Studioのチーム

川合:なんとグローバルな!これだけ多様なバックボーンをお持ちの方々がいると、面白い反面、ONE TEAMにまとめていくのは大変じゃないですか?

村上:逆に楽ですね、考えていることが違うのが当たり前になっているので。お互いそれを尊重できる人間性はとっても重視しています。技術力があっても、チームと合わない人だと厳しいですね。

石川:得意分野もそれぞれ違っているし、それぞれが強い想いを持っていると感じます。だからと言って自己主張ばかりするわけではなく、受け入れあいながら、それぞれをリスペクトしていて仲の良いチームですね。

川合:多種多様な価値観がゲームに収斂(しゅうれん)されていくっていうのは楽しそう!

Olija(オリヤ)
現在開発中のゲームタイトル
『Olija(オリヤ)』

スキルセットが自分と大きく離れた場所にいる人を雇う事で、大きな可能性が生まれる

村上:弊社に海外の人が集まる理由は大きく2つあって、1つ目は、京都(日本)に憧れを持っていて、住んでみたい働きたいと思う海外の方が多いこと。2つ目は、日本で働きたいが、日本の一般的な就業環境で働くのは辛い、海外の人にも働きやすい職場で働きたい、ということ。逆に、多様な価値観を重んじる意識がまだまだ希薄な日本の方からの応募は少ないです。

川合:採用で意識されていることはありますか?

村上:スキルセットが自分と大きく離れた場所にいる人を雇う事で、大きな可能性が生まれると思っています。失敗したら大惨事ですが……(笑)そこをカバーする為に、人として好きか、ちゃんと人間としてお付き合い出来るかが重要かなと思います。能力で選ぶと最初は良いかもですが、関係は続かないと思いますね。なので、採用活動はあまり積極的にはしていません。


川合:村上さんにとって、石川さんはどんな方ですか?

村上:右腕的な立ち回りで動いてもらっています。パートナーとして僕が開拓を担当。広げる、繋がる、構築、、、破壊といったことを担っていて、彼は運用を担当。対話、実務、構築、修復を担っている感じです。

川合:役割分担がきれいに回っている感じですね。逆に石川さんから見た村上さんはいかがでしょう?

石川:行動力がすごい!年間の移動距離は、地球を何周もしてるんじゃないかと思うくらい移動しています。アイデアもあり、それを実現に向けてガンガン広げていくパワーは本当にすごいですね。

川合:私は石川さんとはそこそこお付き合い長いですが、行動力のかたまりのような石川さんが言うのですから、村上さんの行動力は相当なものですね。(笑)

ゲーム開発とそれを取り巻くエンタメ業界の活性化のためのコミュニティづくり

インディーゲームやアートイベントの主催・運営

川合:Skeleton Crew Studioと言えば、ゲームをはじめとしたコンテンツ制作のほか、インディーゲームやアートイベントの主催・運営などコミュニティづくりにも積極的に取り組まれていますよね。

村上:イベントのほか、海外と日本の開発者をつなぐお手伝い、インバウンドコンサルティング、インキュベーションオフィスなどの開発する人が集まる場への積極的な協力、セミナーなどの開発者への教育の場を提供するなど、ゲーム開発とそれを取り巻くエンタメ業界の環境の活性化に情熱を持って取り組んでいます。コミュニティの底上げをする事で、自分自身や身近な仲間が楽しく幸せに暮らせる環境を作りたいですね。

Skeleton Crew Studioのイベントブース
Skeleton Crew Studioのイベントブース

川合:ちなみに今関わられているコミュニティにはどのようなものがありますか?

村上:インディーゲームコミュニティ、VR/ARコミュニティ、アートコミュニティ、博物館系コミュニティ、大学教育コミュニティ、行政関係コミュニティ、海外系コミュニティ(台湾、韓国、カナダ、アメリカ、シンガポールなど)といったところです。

川合:幅広い!インディーゲームといえば、国内の開発者を集めた一大イベント「BitSummit」を毎年開催されていますよね。

石川:実施主体である日本インディペンデント・ゲーム協会の理事として村上がイベント全体のコンセプト、アートディレクション、海外イベントパートナーとのやりとりなどイベントの重要な部分を担っています。私は実行委員として、ボランティアのまとめや、学生ゲームジャムや飲食ブースなどに関わる業務や、当日は会場を走り回っています。

日本最大級インディーゲームの祭典「BitSummit」
日本最大級インディーゲームの祭典「BitSummit」

日本と海外のインディーゲームシーン

川合:日本のインディーゲームシーンはどんな感じでしょうか?

村上:インディーゲームシーンで言うと、日本は世界に比べて遅れていると思います。作品のクオリティーは上がってきていますが、カルチャーとビジネスの土壌が固まるにはもう少し時間がかかりそうです。日本には同人というインディーカルチャーが元々あるので、後から来た海外的なインディーゲームカルチャーが上手く日本本来のインディー文化と混ざるにはもう少し時間がかかるかもしれません。

川合:一方で海外はどうでしょうか?

村上:場所にもよりますが、カルチャーとしてインディーゲームが育っていて、ビジネス的な土台もあり、ゲームジャンルの1つとして認知されていると思います。今や誰もが知っている、マインクラフトやアングリーバードも元々は小規模なチームで開発されたインディーゲームだったものが、ビジネス的に成功した例です。日本の同人文化も、海外発祥のインディーゲームカルチャーもどちらも素晴らしい物なので、うまく混ざって日本独自のものが醸成されると嬉しいです。

川合:大きなイベントとしては、アート分野で「UNKNOWN ASIA」にも関わられていますよね。

石川:UNKNOWN ASIAは私が前職から立ち上げをして、引き続き関わらせてもらっています。私はイベント全般に関わり、村上には海外の作家を発掘するために一緒にマレーシアに同行してもらったり、イベント当日もレビュアーとして参加してもらっています。また発掘した作家に副賞として個展を提供したりといったこともしていますね。

川合:石川さんは、イベント運営はライフワーク的な感じもありますよね。

石川:ずっとやってきましたし、会社としてもよくやっているので、得意分野ではありますね。特にゲームやデジタルコンテンツという分野は専門性が高いので、VRでさえまだまだ触れたことのない人が多いと思います。私は元々はそういう領域の出身ではないので、イベントを通じてそういった方にこそ面白さや魅力が広がるといいなと思っています。

今後の展望

川合:最後に、今後の展望などお聞かせください。

村上:将来的には、テクノロジーを活用して人の生活をより便利で楽しくする手伝い、またコンテンツを通して、人と人とを繋ぐ活動を続けたいと思っています。豊かでより質の高い人生を送る手助けをする事で、新しい挑戦をするキッカケ、新しい価値との出会いと創出が活性化されると信じています。テクノロジーは人を不幸にする側面も強調されがちですが、もっと人を助ける良い道具としてのテクノロジーの活用をしていきたいです。

川合:ありがとうございました!


株式会社Skeleton Crew Studio(京都市中京区)

Skelton Crew Studio

国内外から才能と技術が集結し、PlayStation VR、HTC VIVE、OculasRift、等の様々なVRコンンツの開発実績を持っています。京都のインディーゲームイベント『BitSummit』の主催でもあり、オリジナルゲーム開発からイベント運営まで活動は多岐に渡ります。

http://www.skeletoncrew.co.jp/en/


取材後記

石川さんとは、石川さんがSkeleton Crew Studioに入社される前からのお付き合いなのですが、今回のインタビューを通じてまた新たな一面を見せていただきました。
インタビュー中でも触れましたが、行動力のかたまりのような石川さんが「行動力がすごい!」と評する村上さんのエネルギーには脱帽ですね。

村上さんのお話からは、「人」そして「人の繋がり」を何より大切にされている印象を受けました。個性、価値観、想いをひとりひとりがリスペクトしあえる環境というのは、言葉にするとシンプルですが、なかなか作れるものではありません。
特にマネジメントする立場からすれば、正直、及び腰になるものです。それを実現されているのも、村上さんの行動力のたまものなのかもしれません。

Skeleton Crew Studioさんには私の会社が主催したイベントにも出展いただいたことがあり、その時にはゲームのほか、VRコンテンツも体験できるブースを用意していただきました。
エンタメからアート、エデュケーションと分野をまたいで幅広いコンテンツを制作されていますが、お話を伺ってその源泉を垣間見た気がしました。

今後の活動にも注目したいと思います。

川合 和史(かわい かずひと)

ライター:川合 和史(かわい かずひと)

合同会社かぷっと 代表

大阪府立大学経済学部経営学科を卒業後、クリエイター養成スクールを経てデジタルコンテンツ振興業務等に従事。2010年9月、合同会社かぷっと設立。Webを中心とした各種コンテンツ制作、コンサルティング、セミナーおよび研修の企画・運営を行う。また2004年以降、デジタルコンテンツ関連のユーザーイベントに多数、運営スタッフ、コーディネーター、プロデューサーとして参画。ODCC(大阪デジタルコンテンツビジネス創出協議会)幹事。特定非営利法人日本ウェアラブルデバイスユーザー会理事。

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